Kわい先生の術前カンファ
こんにちは.Nです.論文投稿の〆切を間近に控えながらもなぜかこちらに投稿しております.
歯科研修医の皆さんはそろそろ歯科医師になられて丸1年が過ぎようとしているところですが,いかがお過ごしですか.4月からは「2年目」として周りからは見られるようになります。これを「もう」とするか「まだ」とするか。私の頃は研修医期間が2年間ありまして、「(まだ)研修医2年目」という周りからの認識に甘えていたところもありました。
さて,先日私が診療していた隣のチェアーでの指導教官Kと歯科研修医のやり取りです.
研修医
「明日診療予定の患者AさんはPCR(プラークコントロールレコード:つまりは口腔内の清掃状態の指標)がまだまだ高いんです.もう何度もブラッシング指導しているんですがいっこうに低くなってくれません.」
指導教官K
「そっか.で,どうすんの?」
研修医
「もっとアツくブラッシング指導しようとおもいます」
(指導教官KスイッチON )
指導教官K
「アツく指導すれば患者さんはがんばってもっとよく歯磨きするようになるの?例えば,僕たち指導教官が君たち研修医にアツく指導すれば君たちはもっとしっかり勉強したり言われたことをちゃんとするようになるの?ならないでしょ?それとおんなじでただアツく熱心にブラッシング指導したからといって患者さんがそれに応えてくれるわけじゃないよ.じゃあ何が必要と思う?そう,モチベーションだよね」
研修医
「は,はい・・・」
※ この写真は↑の内容とは全く関係ありません.指導教官Kは写真とは別のK先生です.
ここ最近、指導教官K先生は研修医の皆さんに「電子カルテへ記事入力したら各指導教官にちゃんと承認してもらってください」と口をすっぱくして注意しているにもかかわらず、何ヶ月たってもなかなか100%にならないことに対し業を煮やしていたようです・・・。
このやりとりに私はカルテ入力していた手を止めておもわず拍手してしまいました.さすが話がわかりやすいと評判の指導教官K先生.
さて,研修医の皆さんは歯科医師国家試験合格の通知を受けた当初のモチベーションから今ではより具体的に多様なモチベーションへと発展している頃だと思いますが,指導教官の私たちにも研修医に対してアツく指導し続けるにはモチベーションが必要です.
研修医の方々に対し「どうせ熱心にブラッシング指導してもPCRは低くならないよ」と同様な気持ちになることなく,残された1ヶ月を研修医とともにアツい外来を過ごしていこうと誓ったのでした.